UPCYCLE&RECLAIM



ETHICAL FASHION JAPANでは、すでに出てしまった無駄を活用する取り組みを「UPCYCLE&RECLAIM」としてまとめました。

①UPCYCLE……質の向上を伴って繊維ゴミ/廃棄衣類/古着を素材として再利用する取り組み
②RECLAIM……デッドストックや端材を回収して活用する取り組み

単純なリサイクルの循環ではなく、ものに再度「生」を授けて長く大切に使い続けることだといえます。

どんな「ゴミ」を生み出している?

現在、国内で発生する繊維廃棄物は年間で約130万㌧ともいわれており全廃棄物の2%を占めるといわれています。

「アパレル産業における低炭素化の検討」第6回日本LCA学会研究発表会講演要旨集(2011年3月)

「アパレル産業における低炭素化の検討」第6回日本LCA学会研究発表会講演要旨集(2011年3月)

繊維廃棄物には次のようなものがあります。

①紡績工場、織布工場から出される天然繊維くず……産業廃棄物
②縫製工場から出される天然繊維くず……事業系一般廃棄物
③合成繊維くず……廃プラスチック類
④一般家庭から排出される一般廃棄物、古着、布団廃棄物

繊維くずこのように複雑な分類がされているため、使用済みアパレル製品も一律に扱うことができません。そのため、焼却処分ののち埋め立て処分することが多い状況でした。

①ゴミ山とその問題
焼却処分とその問題

また、「生産してみたものの色が間違っていた」「バイヤーが注文を変更してきた」「必要数よりも多くつくってしまった」などの理由で余剰となった生地が生産工場や倉庫に大量にあります。それらの生地は生産はしたが、販売されなかった新品の衣類とともに焼却炉や埋立地にそのまま送られていきます。アパレル業界から出る廃棄物は、米国の埋立地の5%を占めています。

「未使用の布や衣類」のほうが「使用済みの衣類」の70倍も多く無駄が出ています。工場で生産される布のうち、実際に衣類になるのは15%で、残りの85%は廃棄され、その量は年間100万トンにも上ります。そもそも、必要以上の生産を行い、本来ゴミではないものが捨てられている現状が環境・労働への負担になっています。

リサイクルの現状

出展:中古衣料リユースビジネスモデルに関する調査・検討 報告書(平成14年3月)、株式会社ダイナックス都市環境研究所

出展:中古衣料リユースビジネスモデルに関する調査・検討 報告書(平成14年3月)、株式会社ダイナックス都市環境研究所

買い取られた古着のうち、店頭に出されるのは約30%で、残りは海外へ輸出されています。古着店でも売れないものは工場で使用するウエスや雑巾などに加工されますが、この市場はもはや頭打ち状態になっています。

海外に輸出する場合、2010年度は500トンを超える不要衣料品が途上国や難民に寄贈されました。寄贈先としては、アフガニスタン、ラオス、カザフスタン、セルビア、タジキスタン、ザンビアなど、アフリカや南米16カ国があります。しかし、物資とニーズがあっていても簡単に送れるわけではありません。発送費用は寄贈を行うNPOなどの負担になります。そのため、遠方への寄贈にはコストがかかります。国によっては、税関の免除手続きが煩雑であったり、不要衣料が輸入禁止の国もあります。

繊維ごみリサイクルのたどる道筋

リデュース・リサイクルを促進するため、経済産業省は各団体・企業に以下の対策を講ずるように指示しました。
①汚泥等の減量化のため、化学繊維製造工程においては脱水・焼却等により中間処理を強化し、リサイクルの用途拡大を促進するとともに、染色整理工程においては設備の改善を引き続き行う。
②繊維くず等のリデュース・リサイクルを促進するため、生産条件の改善や工程管理の強化により発生を削減し、発生繊維くずは、マテリアル・ケミカル・サーマルの各リサイクルを一層推進する。
③廃棄物処理・リサイクル等に関する技術開発を推進する。

また、繊維製品サプライチェーンにおける産業廃棄物の減量化も指示しており、「繊維製品サプライチェーンにおいて情報技術を積極的に活用することにより、生産、流通業務を効率化し中間製品、最終製品の不良在庫の削減等を図る」とされています。

以来取り組んできた試みは、次の3つです。
①化学繊維製造における工程管理の強化等による汚泥発生量の削減。
②染色整理工程において使用する染料、薬品類等の量の最小化。
③繊維くず発生量の削減と繊維くずのマテリアル・ケミカル・サーマルリサイクルの一層の推進。 など

【参考リンク】「廃棄物処理ガイドライン」産業構造審議会

UPCYCLE&RECLAIM その効果は?

回収した古着をリメイクするというのが、現在最も中心となっている手法です。限られた生地の量や素材をいかに組み合わせるかという壁を乗り越えたクリエイティブなものが多いのが特徴です。

古着の回収方法はさまざまです。リサイクルショップやチャリティショップと提携し、持ち込まれたものをリメイクして販売しているブランドや、工場で生まれる廃棄衣類やデッドストック生地を回収してリメイクしているブランドなどがあります。店頭にH&Mは店頭に回収ボックスを置き、年間数トンの回収に成功しています。
(事例)「Reet Aus 、アップサイクル商品の大量生産体制へ」2013/11/27
(事例)TOPSHOPのReclaim to Wear Collection

【参考リンク】
自治体による衣類回収についての取り組み
(事例1)NY市とNGOが連携!建物に1つ、衣服回収ボックスを設置『re-fashioNYC』
(事例2)道路のまんなかにゴミ箱感覚の寄付ボックスを設置する団体・Wearable Collections

・日本ファイバーリサイクル連携協議会:http://www.jfsa.jpn.org/
・独行法人中小企業基盤整備機構・繊維製品リサイクル調査:http://www.smrj.go.jp/keiei/seni/info/pub/053058.html#
・繊維資源リサイクル:http://www.jwfa.or.jp/
・For Designers Who Don't Want to Make Landfill:http://www.redesigndesign.org/