年間10億着の新品な洋服は捨てられている?〜衣服の大量廃棄と労働問題〜


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服が生まれてから死ぬまでの旅路を取り巻く外的環境

レポート:お直しの社会勉強会「FORUM 0704 2019」

ファッションビジネス学会主催の、SDGsを実践している様々な登壇者を踏まえた勉強会が文化学園で開催されました。3部構成のこの会で、特にエシカルファッションに関係があった朝日新聞東京本社 オピニオン部 記者藤田さつきさんと、NPO法人 POSSE ボランティアスタッフの岩崎誠さんによる講演「衣料の大量廃棄は労働問題に繋がっているのか」を中心に服の生産から消費までを考えて行きたいと思います。

なぜ新品の在庫が捨てられてしまうのか?

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朝日新聞 藤田さんの推測では10億着の洋服が捨てられていることが判明しています。今では定着した「ファストファッション」の急速な成長により、1990年代と比べると生産されている服の量は約2倍にもなっていることをご存知でしたか?人口はその頃と比べ、増えているとは言えども消費量が大きく変わっている訳ではありません。つまり、売らなければいけない洋服は過多になる反面、単価はどんどん下がり、最終的には極端なセールが増えるエコシステムが生まれたことが説明されました。

消費者側からすると願ったり叶ったりな状況です。欲しいものはどんどん安くなる。「セール時期まで我慢しよう」なんて今では賢いお買い物術の1つとなりましたよね。しかし、同じ賃金で倍の洋服を求められる生産側に負担がいくことは間違いありません。

 

生産者としてのの葛藤

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ブランド側が生産量を少なくすれば解決する問題なのではないか?単純に考えればそれで筋は通りますが、そんなに簡単ではないのがこの業界の難しいところです。年2回のシーズンでものを作り買わせる仕組みができてしまっている以上、まだその波を壊すほど自信を持って製品を作っているブランドは少ないのかもしれません。またブランディングという理由で安価な製品をセール品として出すよりも廃棄した方が良い、在庫は棚卸資産として課税対象となるため捨てた方が節税対策になる、のように消費者側からすると安くても売った方が良いのでは?と思ってしまうような状況が作り出されているのも事実です。

 

ブランドより川上の工場内での労働環境はどうでしょう。POSSE 岩崎さんによるとバングラディッシュやベトナムだけではなく、日本でも厳しい環境を強いられている人々がいます。「技能実習生」という海外からの労働者の方が日本にもいることはご存知でしょうか?数ヶ月前に今治タオルに関係するニュースで聞き覚えがある方もいるかもしれません。ある技能実習生は時給240円で1日15時間労働。働いたお金の半分は家族への仕送りだとすればいくら働いていても報われない、逃げられない、なんて状況に追い込まれてしまう人が実はすぐ近くにいるかもしれません。

消費は世界の在り方を変える力がある

最後に藤田さんは「大切なのは、知ること、考えること、行動することだと思います」とおっしゃっています。自信を持って良いと思ったものを買う。不安要素がある場合はより調べてみる。おかしいと思った時は「お客様お問い合わせ口」で良いから消費者として声をあげる。お金の価値はどこに行っても変わりません。しかし、その1円をより世に影響がある使い方ができるのはあなた自身なのではないでしょうか?

 

講演では自分のSDGs関心具合を調べられる日本エシカル推進協議会のサイトが紹介されました。ご興味がある方はこちらまで。

 

(文:Akari)

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