海の生きものが遭う悲惨な結末。グリーンピースジャパンが“アート”で訴えた


Johanna Maria Trawler in West Africa

混獲”により、年間16万羽以上のウミドリが命を落としている

Turtle in East Pacific Ocean混獲とは漁業において対象とする魚以外の生きものが一緒に捕獲されてしまうことです。これには漁業対象以外の魚に加えて、ウミドリ、ウミガメ、海洋哺乳類などが含まれます。ウミドリも混獲の犠牲になりやすく、はえ縄漁で使われる釣り針についたエサを食べようとするなどして、少なくとも世界中で年間16万羽が命を落としているそうです。一年間で混獲されるウミガメは30万匹にものぼるとされ、うち何万匹もが命を落としています。

そこで、国際環境NGOグリーンピースジャパン(以下、グリーンピース)が漁業における混獲問題を提起した1分間の短編アートムービー『混獲(こんかく)—Bycatch』を公開しました。

 

 

過酷な死を描く短編アートムービー

今回グリーンピースがアート作品として混獲問題を提起したのは、多くの若いクリエイティブ層からの環境問題に対する関心の高まりにあります。タニクミコにより手掛けられたリサイクルした漁網ドレスを身につけ踊る二人のダンサーは、混獲の被害を受けるウミドリを表現しています。ダンサーのまわりに積まれる漁網の山は迫り来る捕獲の脅威を表しています。伸びやかに舞っていた二羽のウミドリは絡まってくる漁網に抵抗して懸命にもがきますが、動きは途絶え息を引き取ります。ウミドリたちの過酷な死をダンサーが芸術的に表現しています。

"Bycatch" Ocean Art Performance in Japan

私たちの知らないところで起こり続けてきた混獲問題。この機会にアートムービーやグリーンピースの活動をSNSでシェア、そして周りの友達と話してみてはいかがでしょうか?

文:上岡美穂

 

タニクミコ

『混獲—Bycatch』の漁網ドレスのデザイン、映像演出を手掛ける。

2008年からアップサイクル、リサイクル可能な材料を使用し制作したコレクション“Re—cycle—style”を発表し、現在も活動の幅を広げ続けている。(タニクミコ氏のインタビュー記事はこちら「雑誌、お菓子の袋、ペットボトル、なんでも言ってみて。彼女ならドレスにしてくれるよ

 

グリーンピース・ジャパン
グリーンピースは環境保護と平和を願う市民の立場で活動する国際環境NGOです。本部はオランダのアムステルダムにあり、世界で300万の個人サポーターに支えられています。本プロジェクトは混獲問題の啓蒙活動として運営されています。

 

制作メンバー
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(企画者)、タニクミコ(コスチュームデザイン、演出)、大月壮(映像ディレクター)、田中秀典(メイキング映像)、アシュリング・クック/Aisling Cook(ダンサー)、小佐野智美(ダンサー)、前島祐樹(照明ディレクター)、平井有太(総合プロデューサー)