体験は真実

  • Written by io

先日、フィリピン・ミンダナオ子供図書館館長・松居友さんの講演会チャリティイベントに参加致しました。図書館へのファンドレイジングが目的のこのイベントですが、お誘いがあるまでこのような活動があることも知りませんでした。

フィリピンという国がそこまで遠くない国であることから、「家の前にあるレストラン」というような、「近いから存在は知っているけど、いつでも行けるから行くのは今度でも……」という感覚になっていて、実際にその中を覗いてみたことがなかった、というのが正直なところです。

そこで上映されたのがショートフィルム「げんきなやさい」。館長のご子息、松居陽さんの作品です。そこには、陽さんが現地の人々と一緒に生活をし、体験したフィリピンでの日常が描かれていました。1日中頭に野菜の入った重い桶を乗せて売り歩き、その日の夕ご飯は1回分のケチャップソースをおいしそうに食べていたり。寝る場所はみんなで1つの部屋で布団もないですが、「しょうがないね、私達貧乏だから」って明るく冗談をいっていたりなど、彼らが送っている普段の日常が映されていました。これが恐らく、今の現実なんだろうなと。今もこのようにして暮らしているんだって思いました。
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この講演を通じて、私は1つ気づかされたことがありました。

すごく当たり前になってしまった今の私の日本での生活ですが、私がイギリスから帰ってすぐの頃は、何か心臓がバクバクする感じがしていました。定時にはきっちり仕事を切り上げ、プライベートをマイペースに過ごすようなイギリスの生活に対し、「早く行かなきゃ」「こうしなきゃ、あーしなきゃ」「間に合わない」と、すごく仕事でもプライベートでも一気に焦らされている感覚になりました。

それは、ものがあってなんでも手に入れることができ、電車や飛行機ですぐどこにでも行けて、携帯電話やインターネットですぐ連絡ができるのが当たり前な社会だから。溢れているものや情報に追われて常に何かに急き立てられているような感覚がしていました。

そのスピードや量に頭がクラクラしていた記憶がありますが、今ではすっかり慣れ、もう頭はクラクラしませんし、寝る間もなく働いています。でも映画を見て、自分が「溢れている環境」にいるのだと久しぶりに実感して、今の「当たり前」を見直すことができました。

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講演の中松居友さんが、「先進国の人がたまにフィリピンに来られてお手伝いされていかれますが、だいたいの人は、実際の子供たちの反応が思っていたものと違うという「空振り」で終わってしまいます。それは「かわいそうな子供たち」という、上から下の目線で見て接しているということなんです。まずは『友だち』になってみてください。そしたら、自然と彼らの気持ちが分かってくるでしょう。行動はその後でもよいのでは?」と、話されていました。

それを聞いて、これはエシカルにものすごく通ずることじゃないかと思ったんです。まずは相手の立場になって考えてみよう。相手目線で一緒に見てみよう。この方法ならすんなりエシカルな一歩が踏み出せるのではないかなと思いました。

ミンダナオ子ども図書館では随時募金を受け付けているそうです。以下のリンクより詳しい活動などもご覧ください。
http://home.att.ne.jp/grape/MindanaoCL/mindanews.htm
写真(許諾を得て掲載):松居 陽「げんきなやさい」より

本記事はエシカルコンシャスWebマガジン「ethica」に掲載されたものを編集して掲載しています。
http://www.ethica.jp/2689/